2012年7月7日土曜日

トリアージ対策用AirTag

新潟大学工学部が開発を進めているAirTagを紹介する


今年もパシフィコ横浜で開催されたWireless Technology Park 2012にて出展していて、ググったらもう数年前から開発が進められていたのがわかった。
このAirTagと言うのは救護活動の支援を目的としてトリアージ情報の収集と配信を行うシステムである。

トリアージ情報を色で分けて、更にRFIDを用いて災害遭遇者にタグをつけ、その情報をサーバにて管理する仕組みである。
以前はDMAT用にこれをラジコンヘリを利用して空飛ぶトリアージタグ「エアタグ」システムとして開発されたが、導入が未だに得られていない。得られていないのは初期導入コストや運用コストの採算が合わないからであり、すべての救急総合病院に自治体か国からの補助がなければ出来ないのも事実である。

ここにリンクがあるので紹介する

さて、このトリアージ情報の問題はGPSがあるかないかでも決まる。
災害時に1箇所の事故なら「場所は特定できるので医師は確実に自分の位置が把握できる」がしかし、広域災害時において、現場が複数あり、更に医師が自分が現在いる正確な位置が把握できなくなった場合(津波なので目標地点がなくなり、周囲が特定できなくなった場合など)、RFIDタグを利用しても威力は半減することは確かである。
3.11の教訓だけではなく、中越地震にても同様で、災害地が広域な場合、GPSが必要不可欠となる。現在のケータイはGPSを備えているので、その情報をトリアージタグと一緒に添付されているRFIDタグに情報を送信できればよいとなる。
さて、次の課題・・・RFIDの読み書きである。これも大きな問題の一つである。そして搬入先の各病院のすべての出入口(救急以外)にもタグを読み取る装置が必要である。実は、負傷者がどこへ行ったか(現場から搬出されたか)の記録も取らねばならない。つまりそこにもRFIDタグ読み取り装置(ゲート)が必要となる。つまりかなり大がかりな仕組みになってくる。

RFIDタグの難点はゲートを通過するだけでは済まない。ショッピングモールの盗難防止タグみたいにゲートを通過して読み取れれば良いのだが、現場はFelicaとかなのでピタっとタッチしないと読み取ってくれない現実があるが、これはタグだけの問題なのでそれなりのタグをつければよいのかな?と思っている。(難題ではないか!)

インタビューで伺った時、もう一つ、大切なのはトリアージレベルが搬出時と転入時で変わった場合はどうなるのか。つまり待っている間に様態が悪くなったりしたら。それも考慮して、トリアージカラーをアップデート出来る仕組みを開発したとのことだった。Very Good!

さて、改良された点はまだあるみたいで、マップとの連携である。
そう、前述したように「複数の災害箇所があったら」と言う課題に直面する。
GPSとマップと連携し、リアルタイムでその場所が表示される仕組みを構築せねばならない。そして現場でそれが見れると言うことだ。
最期に残るのが、電源の確保・・・これは発電機で補うしかないのと、地震時や津波の時は現場に直行できないことが多い。そしてインフラはメチャクチャになっている可能性も大きい。これを現場でどう補うか。

しかし一日でも早く、このシステムが導入されることを願っている。